松村上久郎のブログ

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【ネタばれあり】シンウルトラマン観た感想と長澤まさみのケツの意味

シン・ウルトラマンを早速観てきたので簡単に感想を書くやで~

<!!!!!>以下「シン・ウルトラマン」「シン・ゴジラ」などのネタバレを含みます<!!!!!>

S.H.フィギュアーツ ウルトラマン(シン・ウルトラマン) 約150mm ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア BAS60867

 

 

・シンウルトラマンは「政治SF」+「バディもの」

 前回の庵野監督作品「シン・ゴジラ」は政治SFとしての色合いがかなり強かったのですけど、今回もそんな感じでした(好き)。

 で、それに加えて「シン・ゴジラ」とさらにちがうのは、今回は微妙に「バディもの」としての側面が描かれている点。

 

 映画シナリオの典型の1つに「バディもの」というジャンルがあります(

ハリウッド式脚本術を解説した「save the catの法則」に詳しい)。

SAVE THE CATの法則 SAVE THE CATの法則

 

 ほかの映画でいうと「名探偵ピカチュウ」とか「メンインブラック」などがそんなかんじ。

 主人公がほかのだれか曲者とペアを組まされて、いろいろ衝突しながら信頼関係を深めていくっていうあれです。

 で、今回の「シン・ウルトラマン」は、主人公の神永(斎藤工)とヒロインの浅見

長澤まさみ)の「バディもの」としての側面がしっかり描かれているわけです。

 

 この点が実は、「シン・ゴジラ」には足りなかったあれやこれやを巧みに補う感じになっている気がしました。(適当)。

 

 

・「シン・ゴジラ」になかったロマンス成分と色気成分を克服?

 「シン・ゴジラ」では主人公とヒロインが特にイチャイチャせず、全体的にお色気シーンもなく硬派なかんじで終始していたわけで、その点は実は批判があったりしたそうです(どのくらい多かったかは知りませんけど)。

 

 その辺の批判を気にしてか、今回は意図的にお色気っぽいシーンがとくに中だるみしがちな映画中盤あたりで増えてきます(巨大化した長澤まさみのスカートの中がギリギリ見えないアングルとか、おなじく巨大化した長澤まさみがビルに肘鉄をいれるときの張りつめた胸のアップとか)

 加えて、随所で浅見(長澤まさみ)が自分に気合をいれるときに自分のケツをばしっと叩くのですが、このカットが何度も出てきて観客に印象付けられます。スクリーンに長澤まさみのケツがいっぱいに広がる。すごい(小並感)。

 

 そんな感じで明らかに意図的なお色気シーンの増殖ですが、これがちゃんとただの単発お色気で浮かないようにシナリオ上うまく組み込まれているわけです。その辺が巧みだなーと思いましたです。

 (巨大化した浅見(長澤まさみ)のスカート内を盗撮した画像がネットで流れてしまったものをメフィラス星人がきれいに消して見せることで外星人の能力の印象づけに再利用するわけです)

 

長澤まさみが主人公のケツをたたくことでバディものとして完成する

 で。さっき触れた「浅見のケツたたき」ですが、これがちゃんと「バディもの」として決定的な役割を担うわけです。

 主人公の神永とヒロインの浅見は最初なかなか折り合わないわけですが、おたがいの信頼関係がしっかり築かれたタイミングで、出撃する神永のケツを浅見がたたくわけです。

 自分にやっていた儀式をバディに対して行うわけです。

 これがちゃんと「シン・ウルトラマン」が「バディもの」として昇華された瞬間であります。ごちそうさまです。

 まあそんなかんじで、ただのお色気成分では終わらせないあたりが脚本と演技のすばらしいところ。

 

・いったんまとめ

 長澤まさみを起用してシンゴジラに足りなかった「色気」を克服する&ロマンスの追加しつつも安易なラブロマンスにならないように「バディもの」としてちゃんと政治SFに落とし込んだ「シン・ウルトラマン」。とってもよかった。

 

あとは構図とかカメラワークとかの話。

 

・退屈な画面にならないような配慮が今回も細かかった

 シン・ゴジラと同様に、会議室とかの会話中心のシーンでも面白い画角と構図で飽きさせない工夫がずっとあってよかったです。

 あと個人的に手持ちカメラの撮影のやりかたとタイミング、使う分量みたいなのが絶妙ですごくよかったです。

 「固定だとちょっとよわいな」というところでパッと手持ちに切り替えて見せるフットワークの軽さがきもちよい。

 

・異星からの脅威が「政治的なもの」として降りかかる恐怖

 怪獣(禍威獣)とか外星人(宇宙人)が襲ってくる恐怖をちゃんとある程度政治的なものとして描かれているのが妙にリアリティ?というかなんかがあってなんかよかった(適当)。

 科学力もあってしかも外交手腕的な頭の良さも持っている異星人に目をつけられたらほんとやばいなーって感じが、なんとなくこどものときにみたウルトラマンより身近な恐怖に感じられてその辺が新鮮でした。

 

ウルトラマン頭よすぎ問題?

 ウルトラマンが地球人とバチバチの科学的な話を聞かされて「要するにこういうことだな」と瞬時に理解しちゃうかんじとかが、なんか「あ、このひと外星人なんだ」ってかんじで新鮮。ウルトラマンって結局ベースは人間やし頭脳もちょい頭いいくらいかなー的なスタンスで見ていたので、ウルトラマン自身の頭の良さ的なのがなんか面白かったというか新鮮というかへ~~~という感じだった。うまくいえない。

 

(「プランクブレーンって何???」みたいなかんじになったけど、大学の時物理で「プランク定数」とか「プランク秒」「プランク長さ」(宇宙で一番短い単位、長さとか?)をいちおう聞いたことがあったので「たぶん謎のプランク空間?的なところがあってそこを出入りしたりするんやろな」ってかんじでギリギリついていったような雰囲気だったでした)

 

・まとめ

よかった。

 

とりあえず自分の漫画とかもあらためて頑張ろうと思いましたまる。

映画見るのって創作意欲を掻き立てられていいね。ほな。