3巻まで読みました。
敵キャラの方の苦しみも尊重する作者の姿勢が本当に読んでいて嬉しい(その分無惨様の残酷さが際立ってくるのだが)。
以下感想。一応極力ネタバレがないように書きます。
・個人的にものすごく感心した1コマ
1コマだけ引用します。使いの猫ちゃんが来て帰っていくコマ。
個人的にすごくめんこいコマだなと思って。
猫ちゃんが走り去るときのエフェクトで「===3」←こういうのを使っても構わなかったと思うんだけど、集中線を使って、速さというか、疾走感?走り出したぞ、っていうあのかんじが出せるんだなーと思って勝手に新鮮だった。めんこく使命を帯びた感じがぎゅっと詰まってる。
下手に猫ちゃんのブレとかを使わず全部ピシッと書くから落ち着いて猫ちゃんのめんこさを眺められるし、その上で「タ.」の効果音が決まる。もうめんこいでしょこんなの。なんか何気無いコマなんだけど1番びっくりした。これはどう見ても「めんこい」を知ってる人間の仕事です。
1コマのコストパフォーマンスがずっとえげつないんです、ワニ先生。
あと炭治郎も可愛い。
・ギャグがずっとちょうどいい
善逸が出てきてだいぶギャグ感が増したけど、今までが緊張の連続だったからやっと一息つけるっていう感じでもある。善逸の登場によって、今まで1コマ程度で済ませていたギャグパートが6ページも続くので大胆だなと思ったけど、読んでみるとやっぱりちょうどいいという。緩急のコントロールがこの辺りでも巧みだと思う。
・善逸が「あのセリフ」を聞き逃さなかった、あの感動
3巻の最後。どんなセリフかはネタバレ防止のために言わないんですけど、善逸が炭治郎の「あのセリフ」を聞き逃さなかった事。そしてあのように行動した事。
あのシーンがなぜ感動したかというと、善逸がああして行動してくれたっていうこと以上に、
炭治郎が「あれ」を実は小さいコマで普通に?しか喋ってない。だけど善逸がそれをちゃんと聞いていた、っていうところがすごい演出だと思うわけです。
事前に、炭治郎に同じセリフをもっと大きいコマで言わせることもできるんすよ。でもあえて小さいコマでギャグ程度でさらっと流す。だから読者の記憶に残るようで残らないギリギリのところにしておく。間違いなく作者のワニ先生がそのようにバランスしたんです。
その上で善逸がアクションしたから、これはグッとくるわけです。
次巻も楽しみ。ではまた。